BLUE SKY STAGEトップバッターは、ジャズ、ロック、ポップを取り入れたインストルメンタルバンド、カルメラ。
全員が赤のシャツに黒のパンツで登場し、まずはhideの楽曲「beauty & stupid」をジャジーな雰囲気にアレンジし、オーディエンスの体を揺らす。そのままノリのいいリズムに変わり、続いたのは「Logical Fallcy」。リズムに合わせて一気にファンは拳をあげる。空に突き抜けていくホーンのサウンドに導かれ、どんどん人が集まってくる。
「hideさんの面白きゃなんでもいいや、というマインドを受け継いで開催されるのが嬉しいので、みんなでお祝いしましょう!」と一気にオーディエンスの心を掴んだのは「乾杯ブギウギ」。カルメラのオフィシャルグッズのタオルを丸めると、ビールジョッキのようになり、それでみんなで曲中何度も乾杯するというユニークなパフォーマンス。ステージも含め、その場にいた全員が自由に踊り、会場は一気に躍動感に溢れる。とにかく楽しく騒ごうというステージからの熱が伝わり、元気が出て、楽しくなるような楽曲だ。「Hottest Hippies」では、盛り上げ上手なメンバー全員で、音だけで楽しませるのではなく、魅せるパフォーマンスを披露。
「この曲がhideさんに届いて、そしてみなさんの笑顔が届くように思って演奏します」と宣言し、始まったのはミッドテンポが心地いい「Singin’ For Your Smile」。西崎ゴウシ伝説(Agitator /Tru/G/Per)はラストで空を見上げ、想いと笑顔が届いたかを確かめたかのように微笑んだ。(Y)
RIGHT STAGEのトップバッターは、hideのイベントでは常連組のdefspiral。1997年MLJ時のhide映像の中で、今日の出演バンドが次々に紹介された後、幕が落ちてライヴがスタート。「おはようございます! いくぞー!」というTAKAのパワフルな叫び声で、hideの名曲「ROCKET DIVE」の演奏が始まる。hideの楽曲、特にこの曲はやり慣れているだろう彼らの演奏は、カヴァーという印象はまったくなく、自分たちのレパートリーのようになじんでいる。続く2曲目の「SILVER ARROW」もスピード感あふれる楽曲で、午前中一番という会場のぎこちなさを一気に吹き飛ばす。3曲目の「IN FLAMES」は重いリズムの力強い8ビートの曲で、TAKAの艶のある歌声が冴え渡る。そして、勢いのある「SALVAGE」ではお客さんを歌わせ、ジャンプ。次々と会場に入ってくる観客を、その場で立ち止まらせ拳をあげさせる彼らの人を惹きこむパワーはさすがである。
「こんな午前中から集まってくれて、ありがとう! このイベントに対するみんなの意気込みが、伝わってきます。最後まで、バテずにいけよー!」とTAKAがMCをした後は、メロディアスな「PHANTOM」で一気に会場の空気を変える。伸びのあるTAKAの歌声とメロディアスなMASATOのギターサウンド、重厚なMASAKIのツーバスと息もピッタリなRYOのベースと、4つのサウンドが一体となって会場に響き渡る。そして、ラストは「素晴らしい出会いに感謝」という言葉から始まるミディアムバラード「GALAXY」のどっしりとした演奏で、ドラマティックに30分のステージを締め括った。(O)
ISLAND STAGEのトップを飾るのはDJ桃知みなみだ。昨年に続き「LMJ」に2年連続出演、「CLUB PSYENCE」や「hide Birthday Party」にも出演しており、hideファンにはおなじみかもしれない。「アニメちっくアイドル」を名乗るだけあって限りなく2次元に近いフォルムを持つ彼女が独特のアニメ声で挨拶。みなさんおはようございまーす! アニソンDJの桃知みなみです! 今日は皆で盛り上がっていきましょう!」hideの「D.O.D」Tシャツを着用し、気合い充分だ。
「Joker」(XJAPAN)からスタートし、時に歌い、時に煽る桃知に対してフロアも手拍子でこたえる。こんなポップな「Joker」は見たこと無い。「乾杯しましょう〜!」という桃知の声から始まったのはもちろんhideの「D.O.D」! DJブースから離れ、フロアのお客さんと次々に乾杯していき、ステージに上って乾杯の音頭をとる。慣れた様子でドリンクを飲む桃知の姿もなかなかキュート。「Rusty Nail」(XJAPAN)では赤と青のペンライト使いXジャンプを決め、「子 ギャル」では再びステージに立ち、オタ芸などの自由なパフォーマンスを披露した。
後半戦は「ようこそジャパリパークへ 」(どうぶつビスケッツ×PPP)や「はなまるぴっぴはよいこだけ」(A応P )などのアニソンアンセムを投下。続いて「Beauty&Stupid」(hide)、「誘惑」(GLAY)、「STORM」(LUNA SEA)といった人気ナンバーや、本日出演するheidi.の「予感」にフロアも大盛り上がり。ラストの「ROCKET DIVE」(hide with Spread Beaver)では次に出演するDJダイノジとダンサーも登場し、バトンを渡したのであった。(F)
名古屋を拠点に活動し、5色がトレードマークの元気いっぱいの5人組。可愛らしいアイドルながらもアクロバティックな要素も含む激しいダンスで5曲一気に駆け抜けた。
「初めてのみなさんも一緒に踊りますよー」と坂本遥奈が煽り、「J.A.N.A.I.C.A.」で踊りを先導しながらファンとともに歌い踊る。若さ溢れる元気なショーのスタートだ。続く「首都移転計画」では、少し大人な雰囲気が加わり、ラップパートでは5人で全力で会場を盛り上げる。
咲良菜緒がhideのファンでいろいろ発信していたところから、イベントに参加するようになったというエピソードから、「hide presentsなので、hideさんがチームしゃちほこを呼んで良かったと思ってもらえるようにがんばります!」と述べると、ポップで爽やかな「Cherie! (TV size)」を披露。そして激しいギターサウンドからヘドバンを煽る「ULTRA 超MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」では、ファンも頭を振り、踊り騒ぎ、メンバーと共に振り付けを楽しむ。
そしてラストの「START」では最後の力を振り絞り、激しいダンスを踊りながらも精一杯の歌声を届けた。数々のテレビ出演やイベント、フェスへ出演し、若いながらも経験豊富な彼女たちは、暑さに負けない笑顔で元気いっぱいのステージを繰り広げた。(Y)
LEFT STAGEトップバッターは、昨年のMLJ2016で初飛行を果たした宇宙系アトラクションバンドSPEED OF LIGHTS。真っ白いスペーススーツと丸いヘルメットに身を包んだ4人の飛行士の登場にライブへの期待感が一気に高まる。「しょっぱな、つとめさせて頂きます!」と元気よく発したCUTT(Vo)の声を合図に、「Inside The Pervert Mound」でライブがスタート。「風船アステロイド」「Weightless Flight」など、まるでhideが宇宙から遠隔操作しているかのようなポップでダンサブルなステージが続く。ビートを刻みながら右手をふりかざす観客、その姿を縦横無尽に照らすのはCUTTの指から出る緑のレーザービーム。観客とメンバーの息の合った宇宙的音楽交信が心地よい。
そして、中盤。CUTTの呼び込みで現れたゲストのKiyoshiは「朝はえーじゃん!飛ばしていくぞー!」と、いきなりハイテンションで演奏をスタート。hideの曲「DOUBT97」を披露した。タンクトップとブラックデニムというカジュアル姿のKiyoshiと宇宙服姿のメンバーとの魔訶不思議なコラボに会場は一気にヒートアップ。演奏終わりに、ギターを投げながら再度「朝はえーよ!」と言い捨てステージを下りたKiyoshiの言葉が笑いを誘い、後半戦をさらに盛り上げた。(T)
2番手はDJダイノジ。ダンサーと共にに登場し、1番手のDJ桃知みなみも交えて「ROCKET DIVE」(hide with Spread Beaver)で大暴れ。続いての「Orgasm」(X JAPAN)では世界エア・ギター選手権で優勝経験もある大地洋輔のエアギターパフォーマンス、そして上半身裸になってまさかのドラムまで披露。それを見た桃知もエアギターで応戦、ダンサーたちはヘドバンやXジャンプを繰り広げ、ISLAND STAGEは一気にカオスと化し、「最高!」と叫ぶ大谷ノブ彦。
「あつまれ!パーティーピーポー」(ヤバイTシャツ屋さん)や「PARTY PARTY」(TOTALFAT)といった文字通りのパーティーチューンでフロアをぶち上げていく。「READY STEADY GO」(L’Arc〜en〜Ciel)のサビで咲き、「蘭鋳」(MUCC)では恒例のフロア全員を座らせて、カウントダウンからのジャンプ! フロアを一気にダイノジ色に染め上げた。
「hideさんは日本のロックシーンの重要人物、世界に誇るポップスター」と評する大谷。「今日の出演者もジャンルバラバラじゃん? hideさんという待ち合わせ場所があって、そこに集まったバラバラなものは”全部いい”」と本イベントへの想いを語り、「beautifulさ」(BiSH)でダンサーたちがXジャンプで盛り上げた。
BLUE SKY STAGEの出演を終えたばかりのチームしゃちほこがサプライズ登場、彼女たちの曲「抱きしめてアンセム」に続いては、カルメラも登場し、「Rusty Nail」(X JAPAN)のサビでは全員で大合唱。エアギター、エアドラムに加えてエアピアノまでこなす大地。「ヴィジュアル系DJの第一人者」という大谷の紹介からDJ HIROAKI ASAIが登場し、真っ赤な照明の元「紅」で大団円となった。(F)
RIGHT STAGE二番手は、2014年に結成30周年を迎えたパンクバンドニューロティカ。30周年及びイノウエアツシ(Vo)50歳を記念したドキュメンタリー映画「あっちゃん」の公開や、新宿ロフト最多出演の記録を持つなど、精力的に活動を続けるベテランバンドだ。
「はい、どうも。SEを渡し忘れたようです(笑)hideちゃんの部屋へようこそ!」と、暗転から地味に登場した全身スイカ姿のアツシが、ひと笑いとりつつ「夏・スイカ・27才」で大暴れするベテランらしい一幕からライブがスタート。お揃いのシャツとブラックデニムでキメたちょいワル風メンバーが歌と演奏でつなぐと、衣装チェンジしたアツシが今度はお馴染みのピエロ姿で登場。観客とハイタッチしながら「チョイスで会おうぜ」をノリノリで歌った。そして、ニューロティカのライブのお楽しみのひとつであるアツシの軽快なMCへ。「皆さん、こんにちは。みんなの声をお兄さん、聞きたいんで大きい声でこんにちは〜!」と優しく投げかけるアツシに27歳の若き新メンバーJAMES(G)が「いきなり新キャラ!」とつっこみ。すかさずアツシも「いろいろやっていかないと。53歳。老体に鞭打って頑張りたいと思います。SEのないバンドも記憶に残っていいでしょ?実はあえてSEを渡さなかったんですが(笑)」と応戦。続けて「5月にはアルバム‘良いか悪いかは別として‘を発売しました。今年の流行語大賞を狙ってます」と会場を爆笑の渦に巻きこんだ。さらに「夏・渚・17才」でも、サーフボードを被ったアツシが、ボードを回しながら歌うなど、衣装でも大爆笑。最後の「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ」では、‘ヘルパー‘と呼ぶコアファンの先導の下、お決まりの掛け合いを伝授。「今日集まった皆さんの幸せを願って、そして今日来なかったヤツの不幸を願って・・」と歌い始め、「オレたちいつでも〜」「ロックばか」「ニューロティカ、せーの!」「サイコー」という最高の掛け合いで幕を閉じた。(T)
ヴィジュアル系シーンでは珍しい女性5人組バンド、exist†trace。ヴィジュアル系であることを象徴するかのような真っ黒な衣装で、炎天下のステージで暑さも吹き飛ばすかのような、男性に引けを取らない激しい曲たちで圧倒的な存在感を見せつけた。
1曲目の「DREAM RIDER」でいきなり激しいサウンドを轟かせ、サビはキャッチーで会場の心を掴み、どんどん人が集まってくる。そして力強いツインヴォーカルが風に乗って遠くまで届いていく。野外だろうがなんだろうが自分たちのスタイルを貫く姿が魅力的だ。続く「THIS IS NOW」では、乙魅(G)がクールに煽るとmiko(G/Vo)がセクシーに煽る。見事なコントラストが光るツインギターである。
「hideさんが活動していた頃は、まだ自分たちは小さくて、音楽をやるようになって、hideさんの存在の大きさ、日本の音楽シーンに大きな影響を与えた人なんだと実感しています。そして物語の続きは我々が紡いでいく。そんなつもりで来ました」とジョウ(Vo)が素直な気持ちを述べると、hideのカヴァー「ever free」を演奏。数々のアーティストがカヴァーをしてきたこの楽曲も女性バンドがカヴァーするのは珍しく、また違った風を会場に巻き起こした。そして「SKY」、「VOICE」と激しくパワフルなサウンドでオーディエンスを圧倒した。ジョウ(Vo)はやり切った感が伝わってくるような爽やかな笑顔で満足そうにステージを後にした。(Y)
頬に「X」のロゴをペインティングしたDJ HIROAKI ASAI。ラジオパーソナリティーとして知られる氏だが、97年から続くV-ROCKクラブイベント「爆発寸前Night」のオーガナイザーとしての顔を持ち、「CLUB PSYENCE」にもDJとして参加している。
今回は《hide・X縛り》のDJタイムとのことで、初っ端から「Standing Sex」、「I'LL KILL YOU」(X JAPAN)のハイスピードナンバーでフロアは大盛り上がり。
「これだけhideさんのファン、Xファンが(DJイベントに)集まることなんて滅多にないんだから、今日は多少マニアックな曲でもわかってくれるんでしょう?」とニヤリ。
その言葉通り「SCARS」(X JAPAN)に続き、近年ライブで聴くことができない「Desperate Angel」(X JAPAN)のイントロが流れるとフロアからは大きな歓声が湧き上がり、後方のバーカウンターエリアではポールダンサーが怪しく舞い踊る。
その後も「POSE」(hide)、「Miscast」(X JAPAN)などノリノリのナンバーを繰り出し、フロアのテンションもマックスに。
また、YOSHIKIの頚椎人工椎間板置換手術によりドラム演奏が困難になり、今年のツアーがアコースティック形態でのツアーであったことに触れ、「またYOSHIKIさんがXの曲を叩けるようになるまで、DJイベントで曲をかけ続けたいと思います」と宣言。「爆発寸前Night」がスタートしたのは97年、奇しくもX JAPANが解散した年でもある。X JAPANやhideのライブを見ることが出来ない時期にも、ライブのように皆で曲を楽しめる場を提供し続けてきた氏ならではの言葉だろう。最後は《長い曲メドレー》として「DAHLIA→Silent Jealousy→ROSE OF PAIN→ Stab Me In The Back →ART OF LIFE」を披露し、DJ ASAIの前半戦は幕をとじた。(F)
華やかなSEと共に登場した次の瞬間、「普通のバンドはここから(演奏が)始まると思うんですが、jealkbはMCから始めさせていただきます」と、いきなりフェイクをかました「日本一腰の低いヴィジュアル系バンド」jealkb。まずは、「jealkbの楽しみ方」のレクチャーから、スタートである。haderu(Vo)と先導係のhidekiによる振付講座で、笑いをとりながら観客のハートをしっかりとキャッチした後、ヘヴィな「FIREBARD」の演奏が始まる。中盤ではレゲエのリズムや沖縄民謡が入る変則的な楽曲ながら、レクチャーを受けた観客は楽しそうに踊っている。2曲目の「Packya Ma Lad」はさらに難しくなり、360度回る振りまで入っている。会場中の観客がちゃんと回るまで、曲を止めてやり直すhaderu。ワンマンとは違い、イベントの場合、こういうスタイルは諸刃の刃なのだが、そこはトークも得意な集団jealkb、見事に3回目の演奏では最後列の観客まで巻き込んでの大騒ぎとなった。
3曲目の「Reverse Bonito」では、タイトルの「戻り鰹」にちなんで、巨大な鰹のぬいぐるみを観客とキャッチボール。昨年、メンバーが一人増えて「第二章」をスタートした彼らのより攻撃的になった演奏が、会場中を席巻する。ラストは、スリリングなギターのリフが心地よいダンスチューン「ASTROMEN」で、大盛り上がり。他のバンドと持ち時間は同じながら演奏曲は4曲で、MCに時間を割いてバンドの特性を大いにアピールした。ラストは、「hideさん、呼んでくれてありがとうございます」を最敬礼して、ステージを下りたhaderu。まさに、「楽しければ、何でもあり」のhideイズムをしっかり体現したjealkbの熱いステージだった。(O)
hideとゆかり深いDIE(Key/Vo)とMAD大内(Dr/Vo)のユニット、KISS THE WoRLD。ZEPPET STOREの木村世治(Vo)とTYOのオカヒロ(G)を迎え、熟練のパフォーマンスでhideのマインドを引き継いだかのような、楽しさを全面にアピールするステージングでオーディエンスを楽しませる。音楽フェスにぴったりな、純粋に音楽を楽しんでいる大人な自由感が魅力だ。
まずは彼らの楽曲「RAINBOW」でスタート。歴史が長い彼らだけに、パフォーマンスに余裕すら感じられる。DIE(Key/Vo)は演奏しながらも水鉄砲でファンを濡らし、ステージ上も下も関係ないから騒げと言わんばかりに楽しむ姿がオーディエンスを笑顔にする。「SKYLARKING」ではMAD大内(Dr/Vo)のリズミカルなドラムに自然と音楽が導かれていくかのように、ナチュラルに演奏が進んでいく。そして「Against」では、木村世治(Vo)のいい意味での脱力感が印象的で、オカヒロ(G)は気持ちよさそうに空を仰ぎhideに届けるかのようにギターを弾き上げる。
「今日はhideさんに届くように、ポジティブロックを空に届けたくてやってきました。暑いけど野外でよかった」と木村世治(Vo)が言うと、defspiralからTAKA(Vo)とRYO(B)、そしてSPEED OF LIGHTSからCUTT(Vo/G)を呼び込み、このユニットのテーマソング「KISS THE WoRLD」が始まる。7人での熱いステージに会場はより一層の熱を帯び、ステージにもオーディエンスにも笑顔が咲き乱れ、盛り上がりすぎて曲があっという間に終わってしまったという印象だ。ラストは、「空に響かせられるのはこのステージだけだろ!やっちゃおうぜ」というTAKA(Vo)の言葉を引き金に、hideのカヴァー「ROCKET DIVE」が演奏された。それぞれがhideへの想いを胸に演奏し、会場のファンの想いと共に、遠い空へとそのサウンドを届けたことだろう。(Y)
続いてISLAND STAGEに現れたのは、アコースティックギターを手にしたhideの盟友・Kiyoshi。着席するなり「Beauty&Stupid」を奏で始めると、フロアからは歓声があがる。「MLJへようこそ! ノリノリのやつ(曲)はさ、他の素晴らしいアーティストの皆がやってるんで、今日はじっくり聴いて貰おうと思ってます」と挨拶。「このあと稲田(INA)のポールダンス見れるのかなー! 見てえな! 稲田のDJじゃなくて、PD(ポールダンス)!」と友人へ軽妙なジョークを飛ばした。
1曲目の「FARAWAY」が始まると、さきほどまでの狂騒が嘘のように、しっとりと雰囲気に包まれる。続いても切ないミドルナンバー「幻想のイマジネーション」に聴き入る観客たち。そしてhideの「限界破裂」「DOUBT」をアコースティックギター1本で堂々と歌い上げる。
「センキュー! 歌うの疲れたよ」と飄々とした口ぶりで観客の笑いを誘い、「俺の好きな男前のボーカルいないかな〜!」とKiyoshiが下手に視線をやると、先程自身のライヴを終えたばかりのdefspiralのTAKA(Vo)が「呼びましたか?」と登場。2人でhideの「FLAME」を披露し、思わぬサプライズに大きな拍手が巻き起こった。
最後に演奏されたのは「キミの未来」。彼自身ステージでは触れていなかったものの、この曲は98年にhideを想って作られた曲というのはファンには周知のこと。その歌声とメロディ、そして皆の想いは空まで届いたことであろう。(F)
RIGHT STAGE3番手は、新世紀型Electorockを謳うスタイリッシュなロックユニットLM.C。PIERROTのギターAijiとSinners及び雅-miyavi-のバックバンドでギタリストをしていたmayaによって結成。長野県出身、長身、8頭身(9頭身かな?)、洗練されたファッションセンスなどなど、多くの共通点を持つ二人が、時にポップに、時にワイルドにストロングなロックをぶつけてくる。
MLJでは、袖口をフリンジにした黒のロングTシャツとスタッズつきの革パンというお揃いのスタイルで登場。観客に手拍子を促すmayaの軽快なダンスで「Chameleon Dance」からスタートした。踊る度に揺れる大ぶりのピアスのタッセルがmayaのブロンドヘアーを鮮やかに彩り、Aijiのギターもそれに応えるように艶やかにビートを刻む。そして、ステージそでから緑のレーザービームが発射されると「そろそろビンビン行きますか!オレたちのYOSHIKI先輩がヘドバンがよくないなんて言ってましたが、あれはフリなんじゃないかと!」と煽り「OH MY JULIET」へ。観客とAijiのヘドバンに合わせクルクルと踊るmayaの姿に思わず引き寄せられる。ミラーボールの光の下、クラブ状態の会場で「@FUNNY PHANTOM@」。そして激しくダークな「MOGURA」へ。「ついにこの日が来ました。皆さん、好きなバンドはいるんでしょ?人を好きっていうのは、思い焦がれてライブまで来て・・スゴイ熱だと思うんですよ。あなた方のパワーが欲しいです。いろんなバンドがいて、いろんなバンドが好きでしょうけど、こういうことが大事だと教わりました、あの人に。ひとつになるって、そうでしょう?そうですよね?」と語るmayaを照らすオレンジのスポットライトが幻想的だ。
そして最後は「我々LM.Cとメタリックキューピーと一緒に飛びませんか!」との掛け声で「PUNKY ? HEART」へ。すべてを終え、去り際にメタリックキューピーに深々と頭を下げる二人の姿が印象的だった。(T)
炎天下でのセッティングに時間が少しかかり、ステージ前のお客さんがまばらな中、SEにのってメンバーが手拍子をしながら登場する。その瞬間、あちこちからステージめがけて続々と集まってくる観客。目の上に小さな角をつけた独特のヴィジュアルが印象的なHits(Vo&G)の「あそぼーぜ!」という声と共に、明るくキャッチーな「FLYAWAY」の演奏が始まる。2曲目は8ビートの重たいリズムから全員ジャンプが繰り広げられるエキサイティングな曲で、中盤のプログレッシブなパートでは激しいシャウトが乱れ飛ぶ。オープニングから曲調の違う2曲を演奏したGREMLINSは、現在活動休止中のナイトメアのHitsと、ドラマーKNZの二人から成るユニット。この日は、サポートギターになお(DaizyStripper)、サポートベースに盟友ナイトメアのNi〜yaを迎えてのステージである。
「僕自身もギターや音楽と出会うきっかけがhideさんだったので、今日、出られてとても嬉しいです。それと、久しぶりにNi〜yaと一緒にステージに出られて、妙に嬉しいです」と、はにかみながらMCをするHits。その嬉しさをぶつけるように、MC後に演奏されたのはhideの「DICE」。少し鼻にかかって硬質なHitsの声質が、hideの楽曲とよくあっている。「もうちょっと踊ろうぜ、ジャンプしようぜ」というあおりで始まったのは、イントロのスラップベースが小気味いいダンサブルでポップな「Fellow Traveler」。そして、ラストのスピードチューン「Bacchus」では、BLUE SKY STAGEを埋め尽くしたぎゅうぎゅう詰めのファンが、降り注ぐ強烈な太陽の光をものともせずに踊りまくっていた。見た目のイメージでは野外ステージが似合わなそうなGREMLINSだが、音楽的にもキャラクター的にも実は青い空が似合う自由なグループで、メンバーも観客も笑顔のうちにライヴは終了した。(O)
今年25周年を迎えるボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」。意味は英語で「願い事をする」という名前の通り、3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、病気と闘う力を持ってもらうために活動している。
この名前を知っているhideファンも多いはず。ステージ上に飾られているhideと少女の写真、彼女の名前は喜志真由子さん。95年、当時14歳だった真由子さんの願いは「hideに会いたい」というというもの。メイク・ア・ウィッシュの申し出をhideは快諾し、一度だけでなく何度も会いに行き、その交流は当時多くのメディアでも取り上げられた。
代表の鈴木氏いわく、現在でもメイク・ア・ウィッシュは「ディスニーシーに行きたい」「家族写真を撮りたい」など年間200人以上の子どもたちの「願い事」を叶え続けているという。「皆が願い事をしながら、手を繋いで前を向いて生きていける、そんな世の中を」という言葉で結んだ。これもまたhideの作った縁、絆である。(F)
「Team-K」は東日本大震災の復興支援を目的として結成されたボランティア団体。現在では東北や九州など全国の被災地支援の他に、様々なロックフェスやライブイベントにブース出展し、防災情報の周知活動も行っている。前回の「MLJ」に続いて2度目のブース出展となる。代表の石原氏と、スタッフの松本氏がステージに登壇。「Team-K」は様々なロックフェスにブース出展している中で、14年に開催されたX JAPANの横浜アリーナ公演をきっかけに松本裕士氏とも交流が始まったという。「Team-K」は書き損じハガキを集めて募金に変える「ハガキ大作戦」など、「身近なボランディア」をテーマにした活動をしており、今日も沢山のハガキがブースに届けられたという。
おこがましいと前置きしながらも、松本裕士氏の活動と、自分たちのボランティアは共通してる部分もあるのではと語る。「何も発信しなければ(被災地のことも)忘れ去られてしまう。なので気づくきっかけを発信していきたい。hideさんの魅力を発信し続けている松本裕士さんも素晴らしいと思います。今回この場所を提供していただいて光栄です」と感謝を述べると、大きな拍手で迎えられた。(F)
…… to be continued
前のページに戻る